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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2020年の日記  (最終更新日 : 2020/08/07)
6月1日(月)の記 東京焼盡1

6月1日(月)の記 東京焼盡1 (2020/06/01) 東京焼盡1
ブラジルにて


さあ今日は月曜日、一日断食をしよう。
午後から運転の用事があるので、少し緊張。

このたびブラジルに戻って、初期のうちに「いまこそこの本を」と目を付けたのが『東京焼盡』、内田百閒著。
流浪堂さんで買った単行本で、奥付をみるとなんと西暦1955年発行の初版本で、百閒先生の押印シール付きだ。
流浪堂の二見さんが鉛筆で書き込んだ金額に、僕としては相当なオトナ買いをしたなと思う。
発行は大日本雄弁会講談社。

ネットで調べると、単行本版だと流浪堂さんのお値段をうわまわる価格ではないか。
中公文庫などの文庫版もあるが、いずれも絶版のようだ。
僕は本のタイトルと表紙画に惹かれて買った。
表紙画は、米良道博という和歌山出身の画家。
いま、この人のことを検索してみて、那智の滝を水平をはずして描いているものが!
たまげて先に進めなくなりそう。

『東京焼盡』の表紙画は国会議事堂の周囲が焼けて人々がうろたえている図。
まず『ゴジラ』を想い出すが、東京大空襲の図だ。
恥ずかしながら今回、読み始めるまで失念していたのだが、内田百閒が東京大空襲で焼け出される話は、ずばり黒澤明監督が遺作となった『まあだだよ』で描いていたではないか。

黒澤監督はこの映画でも東京大空襲を直接的には描いていない。
帝都上空を行くB29の編隊も高射砲の花火も、炎上する地上も逃げまとう市民も焼け焦げの死体も出てこないのだ。

黒澤映画を副読本として、名匠の東京空襲下の日記をコロナウイルスによるサンパウロでの巣ごもり生活期に読むというすごさ。
旧仮名遣いで行替えなしで書き込まれているため、決して読みやすくはなく、今日までかかってしまった。
ここまで書いて興奮と消耗。

以下は、明日の日記で。

  (つづく)


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